2014年4月5日土曜日

キッズライブラリーに思うこと

先日「啓新通信」なるものが手に入った。
(https://drive.google.com/file/d/0B3OZKzL6x78xeTgyWnVHZkZnbk0/edit?usp=sharing
(公示日前に配布されてたから公選法違反じゃない?と思うけど今回はそこはパス)
そこに公約らしきものが書いてあって
「こども図書館(キッズライブラリー)を武雄市図書館の近くに新設します。
.児童書の充実
.読み聞かせコーナーの複数設置
.学習室の充実
の三つの機能を持たせます。」
だそうな。
先日たまたま広島市こども図書館と大分県の臼杵市荘田平五郎記念こども図書館という2つの図書館に行ってきたのでそのことを踏まえつつ思うところを素人ながら書きたい。



「一.児童書の充実」
これはある意味あたりまえ。
「二.読み聞かせコーナーの複数設置」
これって、最初のやつとあわせて考えると絵本を充実させますといっているんだと思うんだけど、こども図書館なんだから絵本をたくさん置いておけばいいんだろうくらいに考えているんだとしたら(実際自分もそう考えていた)武雄市図書館・歴史資料館の二の舞になるから考えを改めたほうがいいと思う。
広島市こども図書館
http://www.library.city.hiroshima.jp/kodomo/
臼杵市荘田平五郎記念こども図書館
http://www.city.usuki.oita.jp/docs/2014020100013/
を見てもらえばわかるんだけど、実際低学年用の図書が占める割合はそんなに多くない。二つの館ともに入ってみて最初の印象は「大人向けの図書館と何もかわらないな」ということだ。違いは、書架の高さが低くて、児童向けの書籍(絵本じゃない)が充実していることくらいだ。人文科学・社会科学・自然科学の書籍が当然のように並び、学習スペースも十分に確保してある。これも当然だが郷土史料もおいてある。



とくに広島市こども図書館は原爆資料の量と質に圧倒される。それはそうだろう、こども図書館はこどもが利用するためだけの場所じゃなくて、児童教育や児童文学などに携わる大人も調査のために使用するんだからそういう史料が揃っていないとおかしいわけで。やはり大人向けの図書館同様レファレンスも充実している必要がある。だから大人向け図書館同様、無料化資本屋ではなくあくまでも図書館としての機能が求められるのは必然



また、広島市こども図書館は広島市こども文化科学館との複合施設となっていて科学館は大人も楽しめるようなつくりになっているし、実際大人のほうが楽しんでいた。



臼杵市荘田平五郎記念こども図書館は規模は小さいけど隣に臼杵市立図書館があり、近くには臼杵城や江戸時代の町並みが多く残っている地区にある。こちらは臼杵市出身の実業家、荘田平五郎氏が寄贈した木造の図書館ですごく趣がある。(訪れたときはちょうど外装工事中で建物にはブルーシートがかけられていたのが残念だった)蔵書構成はやはり広島市こども図書館同様絵本に偏っているということはない。



こうしてみてくると「啓新通信」に書いてあることは本当に最低限の事で、重要なことはやはりそれプラスどういう特徴をもたせるのかということだろうと思う。もちろん絵本を充実させるのも一つの考え方ではあるだろうし、その際でもきちんとレファレンス機能などの図書館としての機能は持たせなければいけないだろう。




いずれにしても武雄市図書館・歴史資料館のときの教訓を生かして、きちんとどういう図書館にしたいのかというビジョンを示して市民と一緒になって考えてやっていかないと二の舞になってしまうと思う。それだけは避けて欲しい、犠牲になるのはこどもたちなのだから。