2014年4月19日土曜日

武雄市長の素晴らしく先進的過ぎる政治手法

改革することには何の異論もない。むしろ現状の問題点が改善され、いい方向に向かうのなら改革する方がいいと考えていることは事前に言っておきたい。

武雄市における花まる学習会の件はおよそ2年前に武雄市長がCCCと図書館の件で合意したときと動きが酷似してると思うので、ここであの時武雄市で何が行われていたか市長と教育委員会職員の口から語られたことを元に振り返りつつ、あわせて他の事例も引きながら彼の政治手法について考えてみたい。

「平成24年5月4日に武雄市とカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社との間で図書館に関する基本合意を締結した。この段階ではカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社を平成25年4月1日から指定管理者にすると決定しているのみで、そのための諸手続に関しては何も決めていなかった。平成25年4月1日に指定管理者にするためのスケジュールを市の職員に逆算して考えさせ、6月の定例市議会で武雄市図書館に指定管理者を導入するための条例の一部改正、7月5日に内部の指定管理者選定委員会を開催し、7月に臨時市議会を開催し、カルチュア・コンビニ エンス・クラブ株式会社を指定管理者に指定することを決定した。」
図書館を町のシンボルにしたい。その思いでこの図書館をつくった。そのために平成25年4月1日に開館するということを先に決定し、その後に既成事実を構築していった。


また、ある講演会ではこんな発言を市長はしている
反対運動が起きかけていたので、変な反対運動が起きる前にとっととやっちゃえと思った。
https://twitter.com/Chujirorx/status/431428434145718273

2013年9月武雄市議会議事録によるとこんな発言も
(平成24)1月の終わりにアポをとって、CCC――たまたまですけども、増田社長とお会いすることができて、そこでおおむね合意ができたという運びになってます。」


まぁ、要するに組む相手が先に決まっていてそこから逆算してスケジュールや目的をでっちあげていくわけだ。

余談だが「武雄市民病院の民間委譲に関する住民訴訟について」によると、病院問題もどうやら同じ構図のようだ。

それから「反転授業」も実はほぼ同じ構図になっていることがわかる。以下の資料を見てもらいたい。

「反転授業」には一言もふれていない。

「教育長はこの議会で、6月議会、9月議会、12月議会と教育に関する報告をしていただいておりますが、反転授業に関しては、先ほどもうしましたように、12月議会ではじめて報告がありました。ところが、タブレット配布の発表は、5月9日」
とあるように議会ですらタブレット配布の発表後およそ半年後の12月にはじめて報告を受けている。

こちらはタブレット配布が先に決まっていて、何に使うかは後から考えたと。

そして彼の本心をよく表しているのだろうと思われる発言を一つ。
再び2013年9月武雄市議会議事録から、平成23年にFB良品という通販サイトを立ち上げるときに年商10億を目ざすという発言だったが現在の売上状況は?という質問に対しての答弁が
「3年間で年商10億ということを目標としてあげました。やっぱね、そうでも言わないと新聞に載らないですもんね。(略)10億には全然届いてない」


こういう発言とあわせて先にあげた事例をみると彼のさまざまな「先進的といわれている」取り組みは実は、
1.とりあえずどこと組むか決める
(組む相手は市長と懇意にしている(気に入っている)企業や人)
2.耳目を集めそうなことをぶち上げる
3.こじ付けでそれっぽい目的を考える
以上の流れで行われていると考えていいと思う。

で、これのどこが「改革」や「先進的な取り組み」なのか支持している人たちは教えてくれませんかね。こういうのは私が知っているかぎりでは「癒着」とか「利益供与」といわれるものだと思うんですがね。

2014年4月5日土曜日

キッズライブラリーに思うこと

先日「啓新通信」なるものが手に入った。
(https://drive.google.com/file/d/0B3OZKzL6x78xeTgyWnVHZkZnbk0/edit?usp=sharing
(公示日前に配布されてたから公選法違反じゃない?と思うけど今回はそこはパス)
そこに公約らしきものが書いてあって
「こども図書館(キッズライブラリー)を武雄市図書館の近くに新設します。
.児童書の充実
.読み聞かせコーナーの複数設置
.学習室の充実
の三つの機能を持たせます。」
だそうな。
先日たまたま広島市こども図書館と大分県の臼杵市荘田平五郎記念こども図書館という2つの図書館に行ってきたのでそのことを踏まえつつ思うところを素人ながら書きたい。



「一.児童書の充実」
これはある意味あたりまえ。
「二.読み聞かせコーナーの複数設置」
これって、最初のやつとあわせて考えると絵本を充実させますといっているんだと思うんだけど、こども図書館なんだから絵本をたくさん置いておけばいいんだろうくらいに考えているんだとしたら(実際自分もそう考えていた)武雄市図書館・歴史資料館の二の舞になるから考えを改めたほうがいいと思う。
広島市こども図書館
http://www.library.city.hiroshima.jp/kodomo/
臼杵市荘田平五郎記念こども図書館
http://www.city.usuki.oita.jp/docs/2014020100013/
を見てもらえばわかるんだけど、実際低学年用の図書が占める割合はそんなに多くない。二つの館ともに入ってみて最初の印象は「大人向けの図書館と何もかわらないな」ということだ。違いは、書架の高さが低くて、児童向けの書籍(絵本じゃない)が充実していることくらいだ。人文科学・社会科学・自然科学の書籍が当然のように並び、学習スペースも十分に確保してある。これも当然だが郷土史料もおいてある。



とくに広島市こども図書館は原爆資料の量と質に圧倒される。それはそうだろう、こども図書館はこどもが利用するためだけの場所じゃなくて、児童教育や児童文学などに携わる大人も調査のために使用するんだからそういう史料が揃っていないとおかしいわけで。やはり大人向けの図書館同様レファレンスも充実している必要がある。だから大人向け図書館同様、無料化資本屋ではなくあくまでも図書館としての機能が求められるのは必然



また、広島市こども図書館は広島市こども文化科学館との複合施設となっていて科学館は大人も楽しめるようなつくりになっているし、実際大人のほうが楽しんでいた。



臼杵市荘田平五郎記念こども図書館は規模は小さいけど隣に臼杵市立図書館があり、近くには臼杵城や江戸時代の町並みが多く残っている地区にある。こちらは臼杵市出身の実業家、荘田平五郎氏が寄贈した木造の図書館ですごく趣がある。(訪れたときはちょうど外装工事中で建物にはブルーシートがかけられていたのが残念だった)蔵書構成はやはり広島市こども図書館同様絵本に偏っているということはない。



こうしてみてくると「啓新通信」に書いてあることは本当に最低限の事で、重要なことはやはりそれプラスどういう特徴をもたせるのかということだろうと思う。もちろん絵本を充実させるのも一つの考え方ではあるだろうし、その際でもきちんとレファレンス機能などの図書館としての機能は持たせなければいけないだろう。




いずれにしても武雄市図書館・歴史資料館のときの教訓を生かして、きちんとどういう図書館にしたいのかというビジョンを示して市民と一緒になって考えてやっていかないと二の舞になってしまうと思う。それだけは避けて欲しい、犠牲になるのはこどもたちなのだから。

武雄市のビジョンのない行政の先

武雄の蘭学史料の重文指定の発表後、手のひらを返したように市長は
旧蘭学館とは違う、何らかの展示機能を考える必要があり、それは武雄市図書館とは別にすることも視野に入れ、議論を深めていきます。

こういってるけど、新たな施設を建設するのにまたお金がかかるし、それは税金だという認識はないのかな。そもそも論として蘭学館を潰さなければ常設展示で市民や観光客の皆さんがいつでも見れたわけで、その機会を奪った(つけ加えるなら改装費もかかってる)&新たな建設費用が発生するんだけど。そこらへんどう考えているのかさっぱりわからない。

そもそも「(蘭学史料は)売ったらお金になる」
とか反対運動が起きかけていたので、変な反対運動が起きる前にとっととやっちゃえと思った。」
などという考え方をする人の言葉をまともに信用していいのかどうかすら考えさせられる。

仮に、新たに施設を造るのだったらこれまでの評価を一度きちんと下してからでないとまた同じことの繰り返しになったりしないかな?個人的には今のCDDVDのレンタルスペースは蘭学史料を展示するためだけに設計された建物なんだからあそこを元に戻すのがベストだと考えてる。

また、こちらもそもそも論で、指定管理制度は管理を委託する側にきちんとビジョンがなければただ行政側のコストが下がり、そのしわ寄せが指定管理者側の人件費にはね返りやすいシステムになっているんだから、きちんとビジョンを示し、そもそもあんなに性急に事を運ばないで、市民と協働で時間をかけて進めていっておけばこんなことにはなっていなかったんじゃないかな。ほんとうに制度設計に携わったのかな。
(「私自身、霞ヶ関で働いていた時代に指定管理者制度の設計に関わった」


一事が万事この調子で、行き当たりばったりのハコモノ行政が繰り返されて残るのは借金のみという焦土作戦が展開されてると考えるんだけど市民のみなさんはどう考えてるんですかね。

蘭学館をつぶしたもの

鍋島家洋学資料国重文に 地元歓喜

318日にこんな喜ばしいニュースが流れた。これまで保存・研究に尽力してきた方々には心からの敬意と祝意をあらわしたい。

さて、この蘭学資料、現在どうなっているかというと実は目にすることができない。
せっかくの資料なのにもったいない。

実をいうと武雄市図書館・歴史資料館が改修される前には常設展示専用の「蘭学館」があって開館時間ならいつでもだれでもこの貴重な資料は目にすることができていた。改修後の今蘭学館があった場所はCDDVDのレンタルコーナーとして生まれかわってる。

つまり、武雄市はというより市長は重文クラスの史料の展示よりCDDVDのレンタルを選んだわけだ。そうなった経緯を振り返ると次のようになる。
市長「CD、DVDを、これはもう図書館の延長として、これは歴史的財産でありますので、これを使って、ここにいろんな人たちを呼び込むと。こういうCDとかDVDを置く分には、あの蘭学館というのは非常に適しているんですね。防音効果もある、あるいは入ったときに、ここは音楽を仮に流したにしても外には漏れないんですよね。」

との発言があることからも重文クラスの史料の展示よりCDDVDのレンタルを選んだことがうかがい知れる。CDDVDの中にも歴史的価値があるものがあることはわかっているが、現在のレンタルスペースにあるもの全てがはたしてそうなのか?

先見の明のある議員さんはきちんと議会で指摘をしていた。
議員「蘭学資料は日本の宝。つぶすようなことがあってはならないとの市民の切実な意見について……」

市長「条例改正と関係ないじゃないか。逸脱じゃないか」
といつものように市長は内容に具体的に反論することなく議員を罵倒した

さらに、このときの議会では福祉文教委員長が
「(蘭学館を)そのまま残すということの市民の声はということですけれども、その分に関しては議論がされませんでした。」
「CCCの専門的な形に関しては、(略)、そういうふうな部分に関しては具体的に審議はされておりません。」

と、こちらも驚くべき発言をしている。
これらのやりとりからうかがい知れるのは、蘭学館は市民の声を反映してレンタルコーナーにされたんじゃなくて、市長と賛成議員の独断でそうされたんだということ。一体どれだけの市民がこのことを知ってるのかな。

また、改装された武雄市図書館・歴史資料館では来館者数がよく話題に上る。
これもよく考えてみると、
武雄市図書館・歴史資料館の入館者数はおよそ92万人(http://mainichi.jp/area/news/m20140402ddp012040014000c.html)
だから後半は来館者は16%減少しているわけだ。このペースでいくとざっくり計算して早ければ3年から4年後には改修前の来館者の水準に戻ることになる。比較している以前の来館者は図書館のみの来館者だし、改装後の来館者には商業スペースのみの利用者も含まれているにも関わらずだ。

レンタルのCDDVDは全国どこでも手に入るのに対して武雄の蘭学史料は全国に武雄にしかない。どちらが人を呼び込む力があるかは明らかなのに強引に事を進めて蘭学館を潰した人たちはこのことについてどう考えているんですかね。

それに、地域の史料は観光資源になると同時に、お祭りなどと同じく子どもの頃からそれにふれていると、一定数の人には地域のアイデンティティが芽生えてそれが一度は都会に出て行ったけど最後は地元でとか、卒業してもそのまま地元に残ったりなんかの効果もあると思うんだけどな。

今の武雄市政を見ているとあまりにも経済重視の方向に軸足をかけすぎているんじゃないかと思う、そしてそれは本当にどれほどの効果が上がっているのか。もちろん経済重視は悪いことじゃない。ただ武雄の場合は、その経済重視の姿勢に加えて耳ざわりのいい「改革」という旗印とセットになって、それがややもすれば地域の文化的・経済的・社会的基盤の破壊と直結しているように思えて仕方がない。

改革すれば全てがよくなるわけじゃないよ。

2014年4月2日水曜日

先進自治体佐賀県武雄市の灰色な税金の使い方

最近STAP細胞が話題になってますが、この件に関して日本分子生物学会という団体が
「理事長声明『STAP細胞論文等への対応についての再要望』」
なるものを出してます。

ところでこの学会って耳にはするけど実際のとこなんなのか気になったのでちょっと調べてみた。
日本学術会議(http://www.scj.go.jp/)
という組織の日本学術会議協力学術研究団体
がわれわれがよくいうところの学会というものらしい。どんな学会があるのか興味がある人はこちら、
その名も「学会名鑑」
(http://gakkai.jst.go.jp/gakkai/control/toppage.jsp)で検索してみるのも楽しいかも。

ところで上にあげた学会以外でもじつは学会がある。例えば「と学会」(http://www.togakkai.com/)とか。こっち(学会名鑑にのってない学会)はただの任意団体、なんか難しい言葉使ったけど要するにサークルや同好会なんかと同じ。

さてここからが実は本題なんだけど、今をときめく佐賀県武雄市の樋渡市長も実は任意団体としての「日本Facebook学会」(https://www.facebook.com/fsj2011)なんてものを創設して、そこの学会長に就任してる。これは結構有名だからしってる人も多いかも。しかもテニスサークルなんか(関係者のみなさんごめんなさい)だとコンパとかやるんだろうけど、「日本Facebook学会」は総会なんてものまで開かれてるんだからかなり本格的。

さらに、当然テニスサークルなんか(関係者のみなさん本当にごめんなさい)だとコンパの時は自分らで飲み代だすんだろうけど「日本Facebook学会」はなんと税金使って総会開いちゃう。

とりあえず平成24年度の武雄市の決算書(https://drive.google.com/file/d/0B3OZKzL6x78xWHNVVEhidkZzeGM/edit?usp=sharing)をみてもらうと、物産まつり実行委員会負担金として確かに904万の税金が物産まつり実行委員会に支出されてる。

そこで物産まつりの決算書(https://drive.google.com/file/d/0B3OZKzL6x78xc0dScm1SNkp4RFE/edit?usp=sharing)1枚目を見てもらうと確かに武雄市からの904万が収入として計上されてる(当たり前)。

ここで2枚目に目を向けるとそこにはFB販売促進費というよくわからない費目があり、摘要欄にはfacebook学会宣材費の文字。

明細はこれ(https://drive.google.com/file/d/0B3OZKzL6x78xMW1qUTdpLXlaOUk/edit?usp=sharing)、缶バッジ、パンフレット、のぼり、甘納豆、まぁどこがどうたけおの物産に関係あるのかよくわからない。

ちなみに物産まつり実行委員会の規約はこれ(https://drive.google.com/file/d/0B3OZKzL6x78xeUZ4ZHBwLXhEZVk/edit?usp=sharing)
1条 ふるさと武雄の産業や文化等を県内外に普及、宣伝を図り、もって商工、農業等の調和ある発展と地域経済の活性化に寄与することを目的として、武雄市物産まつり実行委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

2条 委員会は、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。
1)武雄ブランド商品の販路開拓及び販売促進に関すること。
2)武雄ブランド商品の広告と宣伝に関すること。
3)武雄ブランド商品の開発に関すること。
4)物産まつりの開催に関すること。
5)その他委員会の目的達成に必要なこと。

となってるんだけどどれに該当するのかな?

さらに、「第3条 2 会長は、武雄市長をもって充てる。」となってるんだけど、これって結局市長が自分が会長を務める市の外郭団体に税金を負担金の形で支出して市長の個人的な団体のために使った、つまり税金の私的流用にあたるんじゃないの?
黒じゃなくても限りなく黒に近いグレーじゃないの?


こういう行政の私物化が横行してるのが現在の武雄市政なわけで武雄市民はいつまでこんなこと許してるんですかね。

2014年4月1日火曜日

武内小学校の新校長

「東京・杉並区立和田中がわいせつ事件を1年隠蔽」
http://blog.livedoor.jp/damekyoshi/archives/1661671.html

「リクルート出身の民間人校長が続く東京・杉並区立和田中学校のわいせつ教諭を、東京都教育委員会が懲戒免職にせず停職六カ月にするまで一年近く放置・隠蔽し、校長も「教諭は病欠」と虚偽報告していたことが明らかになった。」

こんなのありえないしこのようなことをする人物は当たり前だけど子どもの教育に携わる適正にかけると思うんですよね。しかもあろうことか校長は隠蔽工作までやってる。こんな校長のいる学校にわが子を通わせたい親御さんっているんですかね。もし通わせたいという人がいたら教えてください。こういう人らのおかげで大部分の真剣に子どものために働いている教育関係者が白い目で見られることになるんだと思う。

この校長はこのことのあと、鎌倉市で教育長に推薦された際、虚偽の説明や猟官運動を行ったことが問題視されたことと、選挙結果などとのからみから結局白紙撤回された経緯がある。


結局自分の事しか考えていないように見えてしまうんですよね、そういう意味でいえばわいせつ事件を起こした教諭同様教育に携わる適正にかけるんじゃないかと自分なんかは思ってしまうわけです。


さて、この杉並区の和田中学校の隠蔽校長、実は今度佐賀県武雄市の武内小学校に校長として赴任されたこと知ってました?
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2655141.article.html
こういうのって武内小にわが子を通わせる親御さんはご存知なんですかね。

同じようなことがおこらないことを切に願ってます。


ここらの件に関してはこちらが詳しいです

「さまよう金の髭」
代田昭久氏の武雄市「教育監」任命に関する疑問点や過去の問題など

http://goldenhige.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-0652.html