年をまたいでの選挙戦となった佐賀県知事選挙も投票までいよいよ残すところあと数日という情況になってきた。
twitter上では数日前から安倍首相の音声テープを使った樋渡氏への投票依頼の電話がかかってきているという話はあっていたので知っていたのだけど、今日以下のサイトで記事になっていた。
この中でちょっと気になる記述があったので以下引用する。
<引用開始>
安倍首相の声による5万件の電話作戦は違法か、合法か――。総務省選挙課に話を聞いたところ、「違法性はない」という。他からも問い合わせがあったらしく、聞いてもいないのに「システムを運用している業者に、労務費を支払った形であり、問題にはならない」。なるほど、樋渡陣営の電話作戦は業者のシステムによって実施されているというわけだ。
しかし、この説明には承服しかねる。問題の電話は、明らかに樋渡氏支援を呼びかけるもの。投票依頼と解するのが普通だ。5万件が事実なら、相当額の費用が発生したと考えられ、実質的な選挙運動とみなすべきだろう。公選法は選挙運動への支払いを禁じており、法の趣旨からいえば、業者への支払いは選挙運動への報酬ではないのか?システム運用だからセーフというのなら、法の抜け道を使った手法。「脱法行為」といわれてもおかしくはあるまい。
8日、樋渡氏の選挙事務所にこの件について取材を申し入れたところ、「電話の件なら自民党本部がやっていること。本部に聞いてくれ」。つまり、自陣営が実施した電話作戦ではないので、関係が無いというわけだ。法的な問題はクリアした形だが、やはりしっくりこない。
<引用終了>
今回の件に関して「法の抜け道を使った手法」という批判がなされているわけだけど、樋渡氏に関しては武雄市長時代にいくつか法の抜け道、まあ法のグレーゾーンを付いているとみなされるような施策がおこなわれていて、例えば図書館の指定管理者を決める際に公募によらず随意契約を行ってみたり、自治体通販の運営に関してはそもそも地方自治法には自治体が自ら営利事業を行うことなんて想定されていないなんてことがあったりするわけです。
自治体がそんな法のグレーゾーンをついてまでやらなければいけないことがあるのかという話はとりあえず脇に置いて話を続けると、これからやろうとしていることがグレーゾーンである場合に、ゴーサインを出すのか一旦留まって考え直すのか、どちらを選択するのかっていうのは重要だと思うんですよ。これが民であればどちらを選択しようが責任は自分で取ることになるのでいいですけど(実際にはあまりよくないですけど、そこはまたまた置いておきます)、これが自治体である場合にはどうなんでしょう。
夕張の例を出すまでも無く、その施策が失敗した場合にはそのツケを払うのは住民であって、なおかつその施策の決定を行った当の本人は結果が出たときには既にいないという情況が容易に想像できるわけで。やはり一旦考え直して(住民の意見を聞いて)、それでも尚ということであればゴーサインを出すくらいでいいんじゃないかと思うわけです。
そこで樋渡氏に関してなんですけど、過去の「CEO」発言や「(市民の)意見なんか聞かなくていい」発言なんかを総合して考えるに、どうしても彼は安易にゴーサインを出すタイプであるとしか考えられないんですよね。
さらに、彼が武雄時代に行った施策で成功例といえるものはかろうじて図書館くらいじゃなかろうかと思ったりもするわけで。もちろんまだ結果が出ていない施策もありますけど、仮に失敗した場合でも、昨年の9月に「教育に命をかけていきたい」 なんて言っていた割りにはその職を投げ出してもう既に武雄市長の職にはいないんでツケは住民が払うことになるんですよね。
ネット上では樋渡氏の壮大なブーメラン芸が炸裂していて(それについてはここらを「樋渡啓祐氏発言引用集」)彼の適性に注目が集まるのはわかるんですけど、少し違った視点で投票を考えてみるのもいいんじゃないですかね。
まあ、なんにせよ彼が当選して県政が武雄化した場合にはツケを払うのは県民であるということを良く考えて投票してほしいですね。